Aliens: Isolation

私の嫌いなところと、目立った好ましくない処理について述べたい。

・安易な障害物としての人間

銃を持ったマーシャルや悪漢が徘徊する面は、このゲームにおける私の嫌いなもののひとつ。遠距離からダメージを受けるので、ジーノモーフよりタチが悪い。徘徊には一定の決まりがあるようだが、複数人の動きによる組み合わせはランダムになりやすい。ある程度の人数を倒したにもかかわらず、最低人員まで復活するらしい場所もあった。障害物としての悪漢が、環境や構造物と込みで作為的に配置されているわけだ。これを完全に無くせとまでは言わないものの、エイリアンが主題のゲームで頻繁にお目にかかるようでは、複雑な気持ちになる。後半に登場する、なかなか倒れないアンドロイドも然り。

・覚えゲー

巣窟にて水の下から襲ってくるフェイスハッガー。姿を視界に捉えることができれば、ジャストミートで迎撃できるのだが。水のせいか、よく見通すことができず、湧くポイントを覚えた上で対処することになった。ハッガー以外にも、一度は死ななければクリアできない難所が少なからずある。

“覚えゲー”は“雰囲気ゲー”と対立する要素だと私は思う。映画『エイリアン』一作目の雰囲気に浸れるだけに、こうしたゲーム然とした(それも旧態依然の)処理にはイライラさせられる。雰囲気ゲーとはいえ、その多くが歩いて眺めるだけの観光シミュレータと化してしまっていることも些か不満である。インタラクションや対話性を活用した新しい挑戦を期待したかった。

・ノーモア “リストア・パワー”

迂回路を探したり、キーカードを探したり、電源を復旧させたり…… この手のゲームでは付きものには違いないが、もう少しなんとかならないか。敢えて20世紀的な世界で彷徨うからには、過去の遺物とは異なる理屈が欲しい。内装のパターンすら毎度の使い回しで、徐々に飽きてしまう。もうリストア・パワーはご勘弁。

・時間を浪費させる仕掛け

破線の円で図示された範囲内に手掛かりがある、と一見とても親切だ。ところが、既に訪れたはずの部屋で閉じていた扉が開いて先へ行けるようになっても、どの扉か図示してはくれない。探し物がキーカードの場合、どこにあるかまでは教えてもらえない。

ショーケースのアンドロイドの一体を探すとキーカードが出てくるはずの場面で、件のアンドロイドの死体が目を離した隙に消えてしまう珍事にも遭遇した。つまるところ、こうした要素は、ほどほどにしておくことが肝心だろう。難易度に応じてヒントのセリフが出るなどの処置がもっとあってもよいはず(この例ではアマンダがズバリ在処を言っている)。キーカード捜索に30分費やすようでは、楽しいゲームとは言えまい。時間の浪費にならない工夫を!

・スピーディーになれないアクション性

「急いで逃げなければならない」といった演出にもかかわらず、ジーノモーフが居るので「走れない」という状況。通常移動が遅めに感じることも問題の一端であろう。

「走りたいけれど、走れば見つかる!」――このコンセプト自体は間違ってはいない。走ることのリスクを負いつつ、その結果をアクション性で覆すことができたのならば。……とはいえ、これを一面的に処理すると悪しきQTE(クイック・タイム・イベント)になってしまいそう……ともかく、現状では常時屈んでの移動がベストであり、走った場合には唐突に理不尽な死に様(後ろから刺される)で終わる。最高のプレデターに捕食されるゲームとはいえ、これは一考の余地があろう。

・ハイ、やり直し

切迫した場面・演出にもかかわらず、何度もやり直しを余儀なくされる処理。仮想的な体験は新鮮味がキモであり、二度三度と繰り返しを強要されると陳腐化してしまう。プレイヤーをウンザリさせては元も子もない。この悪い例は、致死の密室で脱出路を探す(見つけられずに死亡)、であるとか、襲われるポイントが固定されている道筋、などに見られた。

緊迫感を大事にするならば、プレイヤーが得意になって出来ること、充分に練習を積んだであろう事を使うべきではないだろうか。その場で咄嗟の学習(要するに即興性)をプレイヤーに求めてはいけない。誰でも簡単に成功できることを使った方が仮想体験の質が高めに維持されるであろう。

・Crew Expendable

ノストロモ号のワンシーンを追体験するDLC。プレイヤーはエレン(リプリー)、ダラス船長、パーカーのいずれかを選び、ジーノモーフをエアロックに追い出す作戦にキーマンとして従事する。

実は本編よりも面白い。短くて単純な割りには濃厚なハントが楽しめた。映画『エイリアン』だけに、成否はあの人物が握っていた、というオチもなかなか。

気になる点は一箇所。メイン・エアーシャフトに入ったら、ジーノモーフを火炎放射で撃退しないと先へ進めない。これはゲーム然として作為的に設定されている。暗闇での可視範囲が短いため、目視と同時か、やや早めに火炎放射を撃つ必要がある。この反応が遅いと、ジーノモーフは怯まず、プレイヤーキャラクターは絶命してしまう。作為ゆえの分かりにくさに目をつぶれば、映画の雰囲気をそぐわない、まぁ悪くない出来と言えよう。火炎放射器の燃料(とメディパック)を除き、わざわざ拾わせる必要は無い。

・サバイバーモード

ジーノモーフを上手くあしらいつつ、目的を遂げるまでのタイムをスポーティーに競う。キーカードや端末の場所を地図上で把握できなくされており、またもや「覚えゲー」。あらかじめ、地図を提示してくれてもバチは当たらないはず。巧みに暗記できるかどうかまでが、プレイヤースキルなのだから。

総括

前時代的な作りが気になる惜しいゲーム。より娯楽に見合う内容として、私ならDEAD SPACE一作目の方を推す。しかしながら、映画の追体験や映像美に主眼を置くなら、それなりに価値アリ。ただの観光シミュレータであっても、ギーガーによる巨人の宇宙船やスペースジョッキー(!)を目にするとやはり嬉しい。エレン・リプリーから娘アマンダに宛てた(映画には無い)メッセージにも感動した。それだけに、本作の古めかしいゲーム性は本当に残念。もう少し目の付け所の違う新味を期待したかった。5点満点の3点(凡作)。
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