ガミラスとデスラーのリアリズム

先週放送の録画失敗を機に、宇宙戦艦ヤマト2199第四章を視聴。なかなか素晴らしい。設定の穴を埋めたり、つじつま合わせをやったり、という仕事がとても成功していらっしゃる。

地球にとっての救世主スターシヤのいる伴星にデスラー総統が居て、そのガミラス内情勢が変化しつつあるという描写。よく考えてみると、当時これはとても魅力的な設定だったのだということに気が付く。ステレオタイプな悪役に単なるどんでん返しの味付けとしてイスカンダル星のスターシヤがいるという理解なら、子供だましに過ぎない。しかし、これに裏打ちを与えていくと、説得力のある個性的なものになり得るのだと知らしめてくれた。それが12話前半。

それから、先制攻撃を仕掛けたのは地球側であるという11話の伏線。この辺りは「真珠湾奇襲の日本」を「ヤマト」という単語と結びつけて先入観を持たれる向きに見せたいドラマだ。ガミラス帝星内のごとく、組織に生じるほころびが指揮系統に働きかけたゆえに起きる悲劇なら、今日日に通用する。オリジナルでは当時深く考えないことにしていた勧善懲悪モノに近い側面は堂々と脱却された。(当時は当時で、子供だましのアニメが一皮むけたと絶賛された作品内容ではあったものの、まだ甘い部分を相変わらず擁していた。ガンダムの制作者側とTV局プロデューサー側との価値観の乖離のように。)地球側の民主主義でさえ腐敗(もしくは無能)をどうするかが課題なわけだ。これならば、ナショナリズムからはじまったような作品名を越え、世界的に輸出できる要素に昇華されている。

ちなみにハリウッド映画には、FBIやCIAによるプロジェクトがそもそも原因という筋立ての物語が数多くある(イーグル・アイ、ボーン・アイデンティティー、など)。そして、プロジェクトは人知れず闇に葬られ、一握りの責任者は野放しがお決まり。芹沢虎鉄宙将が先制攻撃を命令するくらい、可愛いものだろう。

筋運びや演出の秀逸さから、国内ドラマよりも主にアメリカで製作された海外ドラマを私は好んで見ている(正確に言えば、近年はそうでもないので“見ていた”だが)。さらにいうと、国内アニメは萌え系とラノベ系に席巻されて、海外ドラマを見ているような大人の鑑賞眼に堪えられる作品が非常に少ない。宇宙戦艦ヤマト2199は、そうした中で唯一珍しい存在なのである。

欲を言えば、30分は物足りない。それなりのドラマを起承転結で見せるならば、45分は欲しい。12話と13話のセットが丁度1話のような感覚だった。
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