名 作 R P G を 遊 ぶ (か も) 2

洋ゲーRPGや非電源ゲームを扱った頁でしたが、最近はユルいジャンルになりそうです

はじめてのDark Souls(6)

私は43時間費やしたが、とうとう八方塞がりになり、どこへ行っても状況を好転・進展させることができなくなってしまった。降参だ。独力ではもうクリアできそうもない。仮に、攻略Wikiのたどたどしい記述を頼りに、オススメのビルドで再挑戦すれば、積み重ねた経験や知識も役に立って、もっと先へ進むことができるだろう。でも、それはRPGを楽しむ本来の姿ではない。ガイドを頼りにしないと解けないようではCRPGとしては失格なのである。

Dark Soulsは、噂に違わぬ大変なマゾゲーであったという結論に落着した。同じことを延々と繰り返す行為には、どうしたって飽きが来てしまう。ボスを攻略するためのアクション自体は、百歩譲ってやりがいがあるかもしれないが、そこへ至る過程まで揃いでこなさなくてはならない。狩り取ったソウルが不慮の死で水泡に帰す場面にはとっくに慣れてしまった。それでも、無駄な行為に費やした時間のことを考えると、おいそれと遊べるゲームデザインではない。輪を掛けるように、敵から受けるダメージを過剰に感じる場面がいや増す。こんなに雑魚を強くする必然性があるのかとデザイナーのS度を測定したいほどだ。

敵とプレイヤーキャラクターとの力関係は、はじめは敵に分がある。そしてプレイヤーキャラクターが徐々に力をつけてくると、一旦はひっくり返る。成長曲線が互いに同じ角度でもつれ合って登っているときなら、現状の手法でもプレイヤーの体験はそれほど悪くないであろう。しかし、遅かれ早かれ、強化された敵が登場してきて力関係が再びひっくり返される。敵の成長曲線は急カーブで跳ね上がっていく。反してプレイヤーは、ここまでの蓄積がそろそろ限度一杯であることに気がつき始める。

正念場にもかかわらず、プレイヤーが効率の良いビルドや装備を獲得できていない状況がありうる。様々な可能性を内包するRPGなら当然だ。ところがエリートの集うDark Souls学院高等部では、そうした落第生のことはほとんど顧みられないようだ。Demon's Souls中等部はそうではなかったと聞くが。

一例を挙げると、Chaos Witch Quelaagは非常に倒しにくいボスである。このボスを倒せるプレイヤーは優等生で、キャラクターのビルドにも成功している。戦闘の局面はだいたいにおいて武器が鍵だ。敵の苦手分野に対応する武装を整えてあれば、勝率は上がる。Quelaagの場合は飛び道具の魔法だろう。それが無かった場合、プレイヤースキルで補うには、正確なオペレーションを可能な限りノーミスで、そこそこの時間、こなさねばならない。

“中盤”辺りから、マルチプレイCo-opを念頭に置いたかのようにタフな敵が登場する。ビルドや装備が優れないまま、ソロプレイで残りのコンテンツを楽しむことはほとんど不可能だろう。何をもって中盤と言うのかまことに難しいが、序盤が一段落し、絶好調だった勢いに陰りが見え始めた頃がそれに当たる。

剣戟アクションは雑魚のパワープレイで圧され気味になり、あれほど苦労して成長させてきたキャラクターはいとも容易く頽れる。未だに余剰アイテムを換金することすら叶わず、Bonfire同士をファストトラベルで繋ぐことも許されない。“Fire Keeper is absent.”でFirelink ShrineのBonfireが使えなくなりもする…。これは私が実際に体験中の境遇だが、プレイヤーに枝道の選択を許した弊害である。適切な順序で辿れば攻略が容易くなるが、そうでない場合はあからさまに不利益が増す。様々なルートの選択を許しておきながら、正答をひとつに絞るのではタチが悪いというものだ。

Dark Soulsの「一見さんお断り」仕様の最も悪い部分は、ゲーム内での説明が致命的なほど足りないことだ。魔法の三系統とその用法に関して何も説明がない。PyromancerはどこでPyromancy Flameを獲得するのか見当も付かない。

Dark Soulsのゲームシステムはパッケージングに秀逸さを感じるが、一般的な顧客向きのコンテンツとは言い難い。熱心なファンからの評判はよくても、娯楽を供する21世紀のゲーム産業からすれば失敗作だ。これほど忍耐を強要するコンセプトは昨今稀である。カジュアルでソーシャルなご時世によくもまぁ認知されたものだ。反復を是とするデザインの上に、倒し難く敵を配置しておくものだから、常識的な我慢のキャパシティをすぐに一杯にさせてしまう。

タフすぎる敵側の能力を数割から半分でも削減していれば、おそらくもっとたくさんの人が終いまで楽しむことが出来て、全体の顧客満足度はずっと高くなったであろう。パラメータ設定の厳しいハードモードなら、後付けでいくらでも提供できるだろうに。大勢がはじめて遊ぶ一周目を、マイルドな味付けで心地よく売り込まないでどうするのか。商売が下手だ。

「万人には難しいCRPG」という既定事実が織り込み済なら、今日では「キャラクターの能力をブーストさせるDLC」を有料でリリースするというビジネスモデルが成り立つ。バ・ナ社にその腹づもりはないようだ。アイドルマスターのように売れセンだとは考えていないのだろう。とかく日本人は商機を利用するのが下手である。前の記事で触れたようにMMOのIPとしても活用できる下地をDark Soulsは有しているのだから。架空の話として、海外大手パブリッシャがフ社を買収したりすれば、もっと積極的なビジネスが展開されるのではないだろうか。
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[ 2012/08/31 00:00 ] ■RPG Dark Souls | TB(-) | CM(0)
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