名 作 R P G を 遊 ぶ (か も) 2

洋ゲーRPGや非電源ゲームを扱った頁でしたが、最近はユルいジャンルになりそうです

不親切なジャーナルの問題

振り返ると、三章は物語が収斂していく印象だった。ゲラルトを余計に成長させる目的でこなせるセカンダリー・クエストはあまり無い。しかも、先にプライマリークエストの"Gold Rush: The Bank Robbery" (銀行立てこもり事件)が起きてしまうと、"The ○○ Contract"(註)の依頼人とのコンタクトが制限されてしまい、この間、貴重な余剰経験点が稼げず、進行上あまり好ましくない。
     註: 特定のモンスターの骨や羽を持ち帰れ、という内容のクエスト。総督Veleradによる依頼は、Feder, Ghoul, Graveir, Kikimoreと4つもある。the scribeによる依頼はCockatriceのみ。"The Bank Robbery"フェイズが解決しない内は、Veleradと"The ○○ Contract"に関する会話は出来ず、the scribeとは面会できない。
ここで、The Witcherを遊んだことのない人の為に、ジャーナルとクエストの仕組みをおさらいしてみよう。
  • クエストにはプライマリーとセカンダリーの二種類がある。前者は、物語の流れに関連する重要な出来事で、後者はそれ以外の出来事を意味している。
  • 各クエストは「フェイズ」に細分化され、進行が管理される。
  • クエストは、発端となる出来事(便宜上、私はトリガーと呼んでいる)によって新規追加されたり、更新される。
  • フェイズに進展があり、具体的にする事がわかっている状態のクエストはActiveになり、☆印が付く。
  • フェイズが中断してしまい、具体的にする事がわからない状態のクエストはActiveでなくなり、☆印が除去される。
  • 完了したクエストにはレ印が付き、失敗したクエストには×印が付く。これらはジャーナルのフィルター機能により隠す事ができる。また、過去のフェイズもフィルターで隠す事が出来る。
  • 変化のあったクエストには!印が付く。
  • フェイズの説明文の末尾に、黄色い文字で、するべき事柄が端的に述べられている。
  • "Track quest on map"機能で、地図にフェイズの目的地を表示出来る。
こうして説明すると、The Witcherのジャーナルシステムは親切で使いやすく、理解しやすいように見える。ところが、フェイズが中断したままのクエストに関しては、そうとは言えない。というのも、The Witcherのクエストは相互に関係を持っている場合が多く、あるクエストの中に別のクエストが絡んだ、入れ子状の構成になっていたりする。その上、セカンダリー・クエストが省略可能な作りである事が問題をややこしくする。セカンダリー・クエストの続きが分からないままでいるプレイヤーは、それと気が付かずに、クエスト失敗の道を歩んでしまう可能性がある。

整理すると、問題点は、こんな感じになるだろう。
  1. 非Activeになったクエストを再開できるトリガーについてのヒントがゲーム中で語られず、ジャーナルにも記述されない
  2. あるクエストの続行に必要な、前提条件となるクエストを、ジャーナルが示唆してくれない
  3. クエストが章をまたいで継続するのかどうかが明示されない
  4. 入れ子状のクエストの関係を、ジャーナルが明示してくれない
  5. そもそも、相関するクエスト同士を別立てにして、入れ子になるように構成し直してある
「RPGなんだから、全てをつまびらかにしたら、面白くないでしょう」という諸氏もいるだろう。もちろん、それはそうだが、"Track quest on map"機能のように、プレイしやすく計らうのもシステムの重要な役割だと思う。だから、入れ子状のクエストをゲームが採用しているなら、プレイヤーがそれを推理できる示唆があってもいいはずだ。クエストの重要性と天秤で、示唆の度合いが保たれるべきだろう。現行では、そういう発想が大部分で欠けているように思えてならないのだ。

The Witcherではジャーナルに書き込まれる項目の事を「エントリー( "Journal entry" )」と総称しているようなので、以下の記述では、私もそれに倣っている。要するに、「エントリー」=「具体的なクエストの名称」と思っていただいて差し支えない。この伝だと、フェイズ名もエントリーと呼んでしまえるが、「フェイズ」は「クエストの進行状態を細分化したもの」という扱いで明確に分類したいので、私はフェイズの事はエントリーとは呼ばないようにしている。

注意:以下にはネタバレを伴う内容が書かれています

例えば、二章で"Old Friend of Mine"というエントリーが追加されたが、"Invitation" (Shaniのパーティーにお客を招待する)というフェイズの後、トリガーが明示されないまま、Activeでなくなって(☆印が消えて)しまった。運悪く、適切な状況に行き当たらずに放っておくと、三章に突入した時点で自動的に失敗になってしまう。困るのは、どの瞬間に再びActiveになるのかがハッキリしないので、章またぎなのか、二章の間に解決しておく必要があるのか、プレイヤーに伝わらないという点だ。"Invitation"の場合は、公式Forumによれば、プライマリー・クエストの進展とも関連するという。つまり、このプライマリー・クエストは順路を少々逸脱しても解決できる(枝葉が一つにまとまる)ように作ってあり、律儀に組み込まれたセカンダリー・クエストはその逸脱と共に省略が成り立ってしまうらしい。

"Dice Poker"のエントリーのように、章をまたいで強敵を巡っていくというセカンダリー・クエストもある。プレイヤーからすると、章をまたぐかそうでないかの見極めは難しい。例えば二章でVaskaから依頼されるエントリーの中に"A Lost Lamb"がある。これは煉瓦職人の村で少年の行方が分からなくなったというもので、容疑者のDryadからの返答をVaskaに伝えて一旦はフェイズがActiveでなくなる。この時の説明文は「少年を見つけたら報せると約束した」。再びActiveになるのは三章に入ってからだ。したがって、二章の間にプレイヤーが血眼になってこの少年を探したとしても、埒は明かないのである。

更に、"Beauty And the Beast"のように、新しいフェイズが強制イベントの中で唐突に追加される例すらある。これは恋人がワーウルフになってしまったというCarmenの依頼で発生し、スワンプ・フォレストhierophantから聞いた解呪法をCarmenに伝えて一旦Activeでなくなる。このフェイズの説明文によると、「何が起きるか待たねばなるまい。たぶん自ずとワーウルフの素性は知れるだろう」というものだ。続きは三章のお終い近く、マーチャント地区にあるというサラマンドラのアジトを潰した後に自動的に発生する。そこで出会ったワーウルフVincent Meisだと知れるのだ。

11月10日にも触れた"The Sentry"の例もある。これはプライマリー・クエストに入れ子されたプライマリー・クエストなのだが、トリガーを見逃しやすいにも関わらず、見逃してしまった状況下ですらヒントが何も提示されない。そのままだと行き詰まりになってしまうので、NPCによるセリフや、ジャーナルの記述でフォローが欲しいところだ。

結局のところ、物語主導というThe Witcherの性格ゆえか、強制イベントばかりか、オープンエンドのクエストにも、ある種の強引さのようなものが感じられる。プレイヤーに展開を推理させない作りが、中断状態有りのクエストでは裏目になった。Oblivionのように終始ノンリニアな作りであったならば、入れ子状のクエスト採用に当たって、システム面でもロールプレイ面でも、もっと配慮が加えられたのではないだろうか。例えば、中断状態のクエストの展開を予想(あるいはミスリード)させる「噂話」をNPCがしてくれてもいいだろう。
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[ 2007/11/17 21:46 ] ■RPG Witcher, The | TB(0) | CM(0)
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