1.バトル・オブ・レッドマウンテンの真相

 私はロード・インドリル・ネレヴァー。かの者の力を生まれながらにして備えた唯一の人物。今も生き神殺しとして人々から崇められ、恐れられている。ヴィヴェクを殺し、最後のドワーフにその神具の真の力を解放せしめたのは、私以外にはいない。

 殺す前のヴィヴェクの話は--彼は私の顔を覚えていないのだ--退屈で滑稽だった。アクラカーンのものであった力を奪っておきながら、神になることはジャグラーのようだとぬかす。同時にいくつもの次元を見通すその神通力は曲芸ではない。ひとつ順番を間違えるだけで時間連続体に歪みを生みかねない性質のものだ。生まれながらにして資格を持った者でなければ完璧には扱えまい。
「だから、おまえ達の治世には取りこぼしが多いのさ」私は切り伏せた死骸に言ってやった。

 左手にはめた手甲レイスガードは、サンダーとキーニングの威力から私を見事に保護し、呪われし第六の家督ダゴス・アールに天誅を下す助けとなった。モロウィンドに青空を戻した技は、すべて私から出たのだ。

 ダゴス・アールは親友の一人だった。なぜ袂を分かったか。それは、彼の性欲が引き際を知らなかったからだと言わねばならぬ。これは今まで語られぬ事実だが、私と彼は一人の同じ女に恋をした。アルマレクシアのことではない。王には何十もの側室がいて当然である。あのブレトンの妃は麗しく、スクーマがカジートを引き寄せるように、我々はその魅力の虜になった。だが、この女はまさしく、カジート以外の者には毒として正体を現した。真っ先にダゴス・アールがおかしい事に私は気付いた。

 狡猾な女は、ヴァンプリックの双子の片割れだったのだ! 夜な夜な血を求める瓜二つの姉が、ベッドにいる常人の妹とすり替わり、ダゴス・アールは知らずに闇の血族の一員となっていった。

 私は彼を治すべく、あの日も説得のために一人で出かけたのだ。ディードラ王子モラグ・バルの像まで、彼を連れて行こうと。だが、希望は叶わなかった。同じように異常に気が付いた副官のヴィヴェクに先を越され、まさにダゴスが殺されんとするところだった。気が付くと、私は副官を必死に説得していた。だが、彼はヴァンプリズムが不治の病だと信じており、誤解はイボニーのように強固だった。そのとき、ダゴスは…私を後ろから刺した。それより以降の事柄は伝承とさして違わない。

 ネレヴァリン教団などという似非宗派は、今も私の生まれ変わりを求めていると聞く。そんな輩が生を得るはずがない。私が彼なのだから。ニセ者がまた一人増えるだけであろう。我を偽りだと信ずる者よ、アズラ神にお伺いを立てるがよい。彼女の口が、私をネレヴァーと認めたのだ。“月と星”などという呪われた指輪に真の力は宿っておらぬ。あれは私用にアルマレクシアが作らせた貞操帯なのだから。

 ネレヴァリン教団の遊牧民は異人種をこの島大陸から追い出したがっている。私はそんな事には荷担しない。現世でもブレトン人の女は私の目を奪うほど美しいのだ。アシュランダーの未開な連中には、嘘を信じさせておけばよい。私は連中が語るものとは違う予言通り、事を成した。再び、妃を娶らせてもらおう。もちろん、ヴィヴェクの所業に納得し、私を見捨てたアルマレクシアには後でたっぷり罰を与えてやる。

 アリス・ユララニエに初めて会ったのはモラグマールの巡礼者休息所であった。彼女の才は、伝説の英雄である私を楽しませた。かように伝承がねじ曲げられて伝わるとは。語り部であるアリスにとって、私は物語そのものである。私が体験した事は、いずれ彼女によって歴史学者ですら驚く事実として、広められるだろう。

 再臨した王の私を拒む愚かな女を私は選ばない。アリスとの婚姻の儀は、月が満ちたその日に行う手はずとなった。

                                                つづく
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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No title

これは何かの翻訳ですか?
なんとなくTESのゲーム内小説みたいな雰囲気ですね。
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