ハイペースFPS - Bulletstorm

キャンペーンをノーマルでクリア。総プレイ時間は表示されないので詳しくはわからないが、10時間くらいだと思われる。上手い人は7時間前後でクリアできるのでは? なかなか堪能できる作りだった。一本道にしては豊富な内容で、おなかいっぱいだ。このゲーム性を鑑みるからに、シングルキャンペーンを充実してくれたのはありがたい。ややもすると、マルチプレイの方を十全にして、シングルプレイはオマケ程度になりそうなところだ。

キャンペーンに登場したチャプターを、タイムアタック形式で楽しめるEchoモードの充実も嬉しい。NPCのセリフを聞かんが為にブツ切りだったステージも、コンボ点数を競うこのモードでは、かなりのハイペースだ。似たアクション性を備えたDark Messiah of Might and Magicで思った、「タイムトライアルモードがあれば良かったのに」という私の感想は、Bulletstormで叶えられているに等しい。

とうとうやってきたエンディングは、続篇を感じさせるオチとなっていた。流れていく開発者クレジットの速度をポーズできるという妙な趣向で、その後、暗転したままの画面にボイスオーバーで、気になるやり取りとセリフが流れる。最後は、死んだと思ったあの人らしき声が、ニーチェの有名な一節を言う。「神は死んだ」

ところで、言われても嬉しくない表現にTuna Headというのがあるけれども、このゲームで頻繁に出てくるSushi Dickはもっと酷い。海外に居る日本人がネイティブの若造に急にこう呼ばれだしたとしたら、間違いなくこのゲームのせいだ(まぁ、それだけ売れてればの話だが)。

私のお気に入りの武装は、最終的に、Peacemaker CarbineHead Hunter+(敵に合わせて)PenetratorFlailgunに落ち着いた(※キャンペーンの場合。Echoでは異なる)。Penetratorは敵一体を弾き飛ばす効果が頼もしく、終盤ユリシーズ号内では使いまくった。Flailgunは敵の足を止める効能が役立ち、更に、“マグマ大使”(この形容で、どの敵のことだか分かって貰えると思う)に使うとそばの複数が派手に吹き飛んでくれる。

Head Hunterは、スナイプにより膠着状態を打破できるので、ヘタレには最重要な武器であった。対ボス戦時には欠かせない。セカンダリーショット(Charge shot)は狙うのが面倒な場合には最適。

ヘタレの私は、ACT7のChapter1が手こずった。Waveが3回ほどあり、ボスクラスが4体以上出てくる。さしものスナイパーライフル(Head Hunter)も頼りすぎると弾切れになるほど。

Head Hunterには、発射した弾を右スティックでコントロールして、逃げる的に命中させるという狙撃の面白さがある。的の部位の内、頭部に命中させれば得点100だ。ガトリングガンを構えた基本的なボスの場合、まず、頭部を覆う金属製の仮面を狙撃して外し、露わになった頭部を射殺すればよい。他武装のボスもこれに準じており、NPCの相棒達が「バックパックを狙うんだ」等と、教えてくれた部位を狙撃していけば倒せる。Peacemaker Carbineの通常弾では、アーマーを貫通できないようだ。

弾薬補給は、敵を倒して手に入れるか、さもなければ、Drop Kitと呼ばれる装置にアクセスする。Drop Kitはゲーム的なご都合主義の、弾薬ロッカー兼アップグレードマシンである。骨のあるステージ直前にわざとらしく設置されており、万が一ゲームオーバーとなっても、武器の選択を変更してやり直すことが出来る。こうした親切設計は、カジュアル層による売り上げを一層伸ばすことだろう。同じ武器を集中して使ってしまわない限り、弾切れは生じにくい。

Bulletstormの地味だが目新しい点を、いくつか紹介してみよう。

連打ボタンの使い方

スキルショットで獲得するポイントを、連打ボタンにも採用している。ここで述べる“連打ボタン”とは、「ボタンを押せ」という画面表示と同時に指定ボタンを押すアクションのことである。

例えば、ロープにぶら下がって左手と右手を交互に動かして移動するような場合。左トリガと右トリガを交互にタイミング良く動かす必要があり、なおかつ、タイミングが合っている程、高ポイントを獲得できる。シーンとしてはごく短い使われ方であり、うんざりするという事はない。

なお、Bulletstormでは、Xbox360コントローラの左トリガが主に活用されている。これはイベントシーンで、主人公が視野全体から一点に集中して、「おい、あれを見ろよ」という演出で用いられる。左トリガを引き絞ると、カメラが件のスポットへズームし、プレイヤーに何が起きているのかが伝わる。左トリガのタイミングが素早いほど得点率が良い。

クライマックス・シーンのボタン連打も同様の処理が導入されている。物語進行上のメリハリを負って、ヒーローゆえに絶対に外さないスーパーテクといった挿入場面が、実質的なプレイの合間に、よく使われる。従来だと、プレイヤーはタイミングに合わせてボタンを押すだけで終わっていた(Star Wars: The Force Unleashedのように)。たいがい、ボタンを押すタイミングを失するとやり直しである。

ところが、プレイヤーの反射神経の良さに見合うポイントを差し上げましょう、とくれば、ボタン連打のシーンにも多少は意味が出てくる。ヒーローを直接的に操作しているわけではないのだから、没入感としては、従来同様、今ひとつであるかもしれない。とはいえ、見せ方に工夫が凝らされたと評価できよう。興味深いのは、ボタンを押し遅れると、得点ゼロではあるものの、やり直しが強要されないという点だ。やり直しを廃して点数で強弱をつけるやり方は、カジュアル性に貢献すると思う。インタラクトの薄い、同じ場面を何度も見せられて嬉しがる人はそうはいないはずだから。

スライド

Aボタンを二度タップすると、ローラーブレードを履いているかのように主人公は加速を得る。そのまま敵にタックルすると堅い包囲網を崩せるわけで、戦略的な意味合いが高い。FPSとして遠距離からの撃ち合いになりがちな局面が、このスライドにより打破できる可能性を持つわけだ。スポーツシューティングの意味合いにおいて、面白い要素に違いない。キックやLeashとの組み合わせの補助としても活用できる。ただ、現実の物理的法則には反している印象で、これで坂道を登ってしまえた。

キックとLeash

とりわけ目新しい発明ではない。他のゲームで言うところの、Gravity Gunやキネシスの代用品となるものだ。スキルショットと称するコンボに組み入れて活用できる点のみが新しい。スキルショットを点数制にしたところは、特に目の付け所がいい。Unreal Tournamentに代表されるFPSの得点制度に、新しいスタンダードが用意されたわけである。

こうしてみると、なかなか革新的なタイトルではある。
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テーマ : PCゲー
ジャンル : ゲーム

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